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AIの進化と人の知能の可能性

現代社会において、AI(人工知能)はもはや日常の一部となりました。日々、驚異的な進化を遂げるAIを前に、「人間の知能はいつか追い越されてしまうのではないか」という不安の声も聞かれます。しかし、私たちデータインサイトは、その問いに対して少し異なる視点から取り組みを進めています。

私たちは、AIを未知の脅威でもなく、単なる効率化のツールとして捉えるのではなく、より良い社会を作るためのパートナーとして捉えています。「思考の技術」と「AIの活用技術」の両輪を磨き続けることで、人とAIが共に進化する未来を模索しています。

本記事は、インターン生の内藤が作成しました。弊社代表の中西と、弊社の知能の研究をリードする医師の森田、インターンの橋本が、医学や脳神経の観点も交えながら「AIと人の知能」について対談した内容について、自分なりに解釈しまとめた内容をお届けします。

1. データインサイトの取り組み:データから価値を、人から叡智を

データインサイトは、その名の通り【Data Science(≒AI)× Insight (≒人の叡智)】を掲げ、人の叡智や魅力の研究を基盤に、AI 開発と人材開発に応用することで社会の課題解決や価値創造を行うことを目的に2020年に設立されました。

思考の技術とAIの活用技術

データインサイトは、単にAIモデルを開発したりAIエージェントを導入するだけの会社ではありません。AI技術と人を繋げ、AI技術を組織や事業に活かすことに日々尽力しています。また、研究活動やプロボノ活動を通じて、「人の思考力をどう向上させるか」「人の叡智をAIにどう活かすか」という思考とAIの両方の技術を研鑽してきました。これらの知見を独自ソリューションや自社プロダクトとしてエンタープライズ企業様にご提供する中で、私たちはある強い課題意識を抱くようになりました。

その課題意識とは、人の知能は元来AIやスーパーコンピュータをも凌駕するポテンシャルを秘めているにもかかわらず、進化が著しいAIに興味関心を奪われ、多くの人が身近であるはずの人の知能の素晴らしさを見過ごしているということです。

知能・人格の研究と能力開発

人の知能のポテンシャルを把握し、AI技術に活かすため、私たちは創業時から「人の知能と特性」に関する各種研究を進めています。

  • 基礎研究: 有望学生やハイパフォーマーの育成・交流を通じ、知能と人格を研究
  • 応用研究: 人の叡智をAIにどう活かすと価値創出に繋がるのかの研究(暗黙知の形式知化・構造化データ化など)
  • プロボノ活動: 大学生向けを中心に、社会で役立つ思考力を基礎とした能力開発の支援

2. AI技術の進化の可能性:守・破・離の壁

現在のAIは、驚くべき柔軟性を見せています。データ分析に留まらず、人間と自然な対話を行い、画像や映像などの生成も行い、人の思考プロセスに近い段階にまで達しています。人の知能よりも優位性を持つ活用領域も増えてきました。

「守」はできても「破・離」はまだ遠い

しかし、現在のAIの本質は、芸道の「守・破・離」に例えるなら、型を忠実に守る「守」の段階に留まっています。既存のデータから正解を導き出すことは得意ですが、既存の型を飛び越える「破」や、何もないゼロの状態から新しい概念を生み出す「離」の領域には、まだ到達していません。また、「守」においても、ビジネスの実務上でAIの判断を100%信用し、すべてを委ねられるレベルには至っていません。

進化のゆくえ

今後、AIの電子回路が人間の神経系をどこまで代替できるかは未知の領域であり、いつか人間の知能を凌駕する可能性も否定はできません。

しかし、多くの優秀人材の育成や、人の叡智のAI活用に携わる中で、私たちはAIより人の脳が秀でている領域がまだまだ多いと実感しています。多くの人が自他の脳のポテンシャルを過小評価しているのが実情ですが、人間の脳にはまだまだ計り知れない底力があります。

確かに、現在のAIエージェントの進化は破壊的なビジネスインパクトを有するレベルであり、実際に弊社も業務のおよそ85%をAI化している状況です。それでもなお、私たちは人の脳のポテンシャルをより深く理解し引き出すことに挑戦し、AIと人の共進化を目指していきたいと考えています。

3. 人の知能の可能性:失われゆく「非構造化された叡智」

私たちが人の知能において最も注目しているのは、「人の頭の中に眠る、構造化されていない情報」です。この情報の最たる例として挙げられるのが、「ベテランの経験と勘」です。

経験と勘という名の高度なアルゴリズム

様々な領域において、ベテランと言われる人々がいます。彼らは己の勘と経験に基づいた決断を下し、往々にしてその決断は正しいものとなります。

例えば、飲食チェーンにおけるベテラン店舗開発者による店舗の出店場所の選定では、データサイエンスに基づいたAIの分析よりも、ベテランの「勘」の方が精度が高いケースが多々あります。

しかし、これらの勘や経験といった「人の頭の中に眠る、構造化されていない情報」は、本人ですら説明が付かないことも多く、知見を継承することや組織ナレッジ化することが非常に困難です。

叡智の消失に対する危機感

加えて、現在、AIの普及によって、思考や行動が画一化するリスクが生じています。個々人が持つ独自の経験や直感が、AIという画一的な波にかき消されようとしているのです。

AIが学習できるのは、主にウェブや論文、特許など「オープンになっている情報」だけです。一方で、企業の秘匿事項や門外不出のノウハウ、あるいは「おばあちゃんの知恵袋」のような日常の叡智、熟練者の経験則といった「クローズドな情報」はそのままでは学習できません。

また、人の脳は、特定の領域において、コンピュータよりもはるかに高効率で、広く深い思考を行っています。この「構造化されていない叡智」が共有されないまま失われることは、社会にとって大きな損失です。

AIがカバーできるのは85%。

残り15%にある「非構造化された叡智」を如何に言語化・構造化するか。

これこそが、私たちが取り組んでいる、「思考の技術」と「データの技術」を組み合わせた「良いとこ取り」の技術であり、現在AIを活用して、各業界のトップ企業と共に「非構造化された叡智」の知見を深めていこうとしています。

まとめ

おそらく、AIの進化はまだまだ止まりません。それどころか加速する可能性が高いです。しかし、それに伴って人間の価値が減るわけではなく、むしろ「人間にしかできない高度な思考」や「人間らしさ」の重要性が浮き彫りになっていくことでしょう。

データインサイトは、AIという強力な武器を使い、人間自身の知能の可能性を導き出していきます。思考の技術を磨き、AIを賢く活用することで、人が持つ「経験」や「勘」という名の叡智を次世代へつなぎ、人とAIが共に進化することのできる社会を目指します。

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